日蓮宗 本泉寺 伊丹とともに450年
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お寺だより

2022年9月25日
仏教で一番大切なこと
9月20日(火)はお彼岸の法要を行いました。
台風が通り過ぎた後の爽やかな秋晴れで、夕方からの法要に檀信徒の皆様が本堂いっぱいにお集まりくださいました。
すべてのお塔婆を読み上げ、読経し、皆様にご焼香していただき、ご先祖の供養をいたしました。
法要のあと住職から短く話をさせていただきました。以下はその概要です。
●仏教で一番大切なこと

仏教が目指す究極のゴールは「成仏」です。
読んで字のごとく「仏に成る」ということです。
ただし、これは死んだ人が成仏するのではなく、生きている私たちが「仏様のように成ることを目指して生きる」という、私たちの努力目標なのです。

●どうしたら仏様のようになれる?

「六波羅蜜」を守って生きるとそれを達成できますよ!というのが仏教の教えです。
六波羅蜜とは
「布施(世のため人のために尽くすこと)」
「持戒(いつもよい心構えであるように気を付けること)」
「忍辱(辱めを受けても、心を寛容にして堪え忍ぶこと)」
「精進(不断の努力をすること)」
「禅定(心を落ち着けること)」
「智慧(物事を判断し見極める知恵を持つこと)」
という6つの守るべき課題です。

「我欲のコントロール」が大事になります。
我欲を無くすのではありません。無くすというのはできないからです。うまくコントロールして、みんなでどうやったら仲良く生きていけるのか考えましょう。
これが本当の成仏のための鍵となります。

●ハリボテ儀式をやめよう

このように、仏教とは本来どう生きるべきかを教えてくれるものです。
しかし、現代は儀式や形式だけが残って「なぜそれをするのか」という意味が忘れ去られています。

たとえばお葬式。今日では意味を知らずに儀式の形をなぞるだけです。だから「安い方がよい」となり安売り競争になっています。
たとえばお守りや塔婆。高いお金で買ったから守ってくれる魔法のお札ではありません。
「仏様を手本として生きます!」と誓った証として与えられるのがお守りです。
たとえばお経。魔法の呪文ではありません。
お経は生き方についての教えが書かれたものです。その教えを忘れないように何度も読んで体に叩き込むのが読経という行為なのです。

例えば写経。ただ写したらポイントが稼げて願いがかなう、というものではありません。
写したお経の意味を理解して、そのように生きることで初めて自分の願いがかなうのです。

●自分も、そして他人も

「自利利他」という仏教の教えがあります。
「修行で自分を磨き、そこで得たものを他人のためにも使う」ということです。
みんなで仲良く生きることを心掛けましょう。それが、いつも見守ってくれているご先祖を安心させる一番の供養となります。

※六波羅蜜についてはこちらでも説明しています
「節分星祭り。六波羅蜜で厄除けを」

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