昔、京都で勤めていた頃、得意先から「せいてせかへんで」とよく言われました。漢字で書けば「急いて急かへん」でしょうか。これは私がいた職場では、「急ぎではないけど、なるべく急いでほしい」という意味で使われていました。直接的な表現を避け、なるべく穏やかな言葉で伝える、という事は私達もよくやる事です。
しかし、本当に相手の事を気遣っている時は良いのですが、自分の要望を聞いてほしい時に、私達はあえて逆の言葉を言う時があります。
例えば本当はやってほしいのに、「忙しかったら出来なくてもいいよ」「出来たらやっといてね」等ですが、これで相手が本当にやってくれないと、「あーやってくれてないのか」と不満が溜まってしまいます。
自分で言っていて勝手なものですが、この場合は相手を気遣っているのではなく、自分を良い人に見せる為の言葉です。
そんな事でモヤモヤするなら、そんな時はそのまま気持ちを伝えた方が、自分も相手もすっきりしませんか。宮本観靖