日本の曹洞宗の開祖である道元禅師が、修行で中国に行った時の事です。老僧が暑い日に汗を流しながら、椎茸を干しているのを見た道元禅師は、「そんな事は、若い僧侶にさせてはいかがですか」と声をかけると、その老僧は「他人にさせては自分の修行にならない」と答えた、というお話があります。
他人のした事を、あたかも自分がやったかのように話す人もいますが、他人の経験は自分のものにはなりません。実際に自分がやってこそ、その事の辛さや嬉しさ、達成感があります。自分のやるべき事はしっかりやる。他人にさせてはもったいないですよ。宮本観靖